黄金色の群れ、宙を泳ぐ 大洲で「焼き干しアユ」作り
肱川のアユをいろりであぶり、麦わらの束に刺して干す「焼き干しアユ」作りが愛媛県大洲市で最盛期を迎えている。束に刺さった黄金色のアユたちは宙を群れ泳ぐよう。雑煮のだしによし。熱かんに浸すのもよし。1月半ばまで作業が続く。
アユは秋に産卵のため肱川を下った「落ちアユ」。炭火で2、3時間あぶり、「おおぼて」と呼ばれる束に数百匹を刺して2~3週間干す。かぶりつくと、ほのかな塩味と香ばしさが口内に広がる。
大洲市柴の農業上満武さん(71)は、仲間が持ち寄った炭や竹串を使い倉庫で作業。暖冬で、湿気が大敵の作業開始を11月から12月に遅らせた。アユの大きさは10~25センチ。今年は約8千匹と少なめの見込み。